抄録
電気透析装置を用いて下水汚泥焼却灰の硫酸抽出ろ液に含まれるAlやその他の金属の除去を試験した結果,抽出ろ液のpHを0.5に維持し,電気透析時間を10時間とすることで,AlやZn,Cu,Cd,Niの85~95%程度を除去でき,Pの60%程度を保持できた.電気透析後の硫酸抽出ろ液をNH3水で中和した後,乾燥させて得られた粉末試料の水溶性Pの含有率は,90%程度であり,Pの大部分を速効性のP化合物として回収できた.粉末試料をXRDとFE-SEMでそれぞれ分析した結果,(NH4)2SO4,NH4H2PO4およびP2O5の回折パターンと類似したピークが観察され,元素マッピングではNの分布とは重ならないPの分布も確認されたことから,粉末試料中のSとPの大部分は上記の化合物として存在していると推察された.