2016 年 72 巻 7 号 p. III_295-III_304
トウガラシ微斑ウイルスとアイチウイルスを養殖牡蠣から検出し,ノロウイルス汚染の指標として用いることが出来ないか検討した.トウガラシ微斑ウイルスは検出頻度がノロウイルスよりも高く,そのRNA量も多かったが,アイチウイルスは検出頻度,RNA量ともにノロウイルスと同程度であり,指標として適さないことが明らかになった.トウガラシ微斑ウイルスのRNA量を指標として,ノロウイルス陽性率を推定する方法を提案した.高い陽性率が推定される場合には,ノロウイルス検出を省略することで時間や費用を削減できる可能性がある.