2016 年 72 巻 7 号 p. III_467-III_474
現在,我が国の水道事業体は人口減少等による水需要の減少などを考慮して,老朽化した施設更新を行うことが求められており,中長期的な視点から配水管網の再構築後のあり方について検討する必要がある.本研究は,濁水発生を予防するという管路の自己洗浄機能,地震時における耐震機能,および配水管網の消火機能の3つの観点から,管路の縮径と配水管網の一部に対して枝状化による配水管網の再構成による将来の配水管網のあり方について,神戸市を解析対象とした管網解析を行うことにより検討した.その結果,配水管網の縮径においては,自己洗浄機能と耐震機能,自己洗浄機能と消火機能がトレードオフ関係にあることを示しえた.