抄録
本研究では,三次元風速場の推定手法であるMUSCAT法を降雪事例に適用し,札幌圏で発生した石狩湾小低気圧に起因する暴風雪の気象場の特徴を分析した.MUSCAT法により得られた結果と既存の気象モデルの解析結果及びラジオゾンデによる観測結果とを比較し,推定手法の妥当性を検証した.推定された三次元風速場からは,石狩湾沿岸から内陸部までの40[km]程度の範囲内で石狩湾小低気圧に伴う対流圏下層における収束が検知された.また,収束域では強い反射強度が連なっており,収束により降雪がもたらされたものと推察された.さらに,推定された風速場と反射強度の関係性から風による降雪の水平移流を検知可能であることが示唆された.