土木学会論文集G(環境)
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和文論文
土壌洗浄処理を施した放射性物質含有土の社会的受容性評価と検証
高畑 修原田 拓也保高 徹生熊田 正次郎安藤 淳也小峯 秀雄
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2021 年 77 巻 1 号 p. 7-21

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抄録

 福島第一原子力発電所事故から9年が経過し,これまでに除染等が進むとともに,一部の放射性物質が半減期を迎えたことなどから,福島県内の空間線量率は確実に低下している.その一方で,除染で生じた除去土壌等は,社会的受容性の課題もあって最終処分や,中間貯蔵施設での減容化処理後の再生利用の目途は立っていない.このような状況下で,福島県は,除染実施区域外で発生した放射性物質含有土に土壌洗浄工法を適用した試行的プロジェクトを実施し,減容化が可能なことを示した.しかし,その濃度に係わらず放射性物質含有土を生活空間で取り扱うことについては様々な議論が生じた.本研究は,この試行的プロジェクトの検証及び社会環境の分析から,土壌洗浄処理を施した放射性物質含有土の最終処分の実現に向けた社会的受容性の課題を明らかにした.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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