2021 年 77 巻 4 号 p. 132-143
水道事業や水道料金に関連するアンケート調査を国内4市を対象として実施した.回答結果に対して因子分析と共分散構造分析を行い,水道料金に対する「値上げ容認度」を終点とする因果モデルを作成した.この結果,「値上げ容認度」にもっとも強い影響を及ぼすのは「現在の料金レベルに対する評価」であった.これより,水道料金の安さ・適正さを丁寧に伝えて料金評価を改善することが,容認度増大のために最重要であると考えられた.その他,「情報評価」,「水道事業に対する信頼感」,「水道水質に関する満足感」に働きかけることによっても容認度増大に寄与できることを示した.一方,容認度増大に対する「水道事業の現状や将来経営に関する認識」度の改善効果は限定的であり,直接容認度増大に結びつけるのは望ましくないことを指摘した.