抄録
本研究は社会基盤構造物の整備事業が与える環境影響を定量的に予測し,環境影響を考慮した整備事業評価に貢献し得る環境負荷・便益評価手法を検討するものである.また,当該手法はタイ王国・バンコク地下鉄建設事業に対して適用しており,バンコク地下鉄の建設・運用段階における環境負荷および環境便益の定量化を試みている.さらに,本適用例では定量化された環境負荷および環境便益に関する社会負担を貨幣価値に換算し,環境コストとして経済的内部収益率(EIRR)に組み込むことによって,当該建設事業が及ぼす環境影響を環境経済学的な観点から評価することができた.