抄録
巨大地震時あるいは地震後において,空港の果たす役割は,被災地への緊急物資輸送や救急医療の観点から非常に重要である.しかし,実際に大規模地震が襲来した際に,どのような被害や影響を受けるのかといった被災予測が困難であるのが現状であり,事前に講じるべき対策について早期の確立が求められている.本研究では,臨海部の埋立て地を始めとする軟弱地盤上に施工された滑走路の合理的な液状化対策を検討するため,実大滑走路試験体を施工し,制御発破により地盤の液状化を実際に発生させる現場実験を試みた.本実験から得られた結果より,液状化地盤上の滑走路の挙動観測,液状化対策効果や未対策部分に関する被害の比較・分析を実施し,液状化対策の仕様について検討したので報告する.