管理されずに自然放置された竹林の拡大による周辺環境や生態系への影響が顕在化している.森林の再生ならびに保全を検討する上で,地盤環境工学の見地から規模を拡大する竹林の諸性質を把握することは重要である.本文では,山口県下の竹林の分布状況をもとに,隣接した竹林の拡大による自然結合や他の植生または植物群落への竹の侵入の事例を報告するとともに,県内2地域を対象とした航空写真解析および現地調査により竹林の拡大速度を算出した.その結果,竹林の最前線は年間当り全体的に0.7m,局所的には2.5mで拡大していることを明らかにした.