抄録
公衆衛生の確保を命題としてスタートしたわが国近代の廃棄物処理は,経済社会の発展に伴って,環境保全,適正処理といったタームで表されるような役割を担ってきたが,廃棄物,資源を巡る地球環境問題によって持続可能社会,循環型社会の実現に向けた取り組みが重視されるように変貌してきた.リデュース,リユース,リサイクルという,優先順位をもった3Rの取り組みである.循環型社会実現のためには,廃棄物に対する3Rだけではなく,資源の保全を視野に入れて,製品の設計や用途にまで情報をフィードバックしていくことが必要である.