土木学会論文集G
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和文論文
炭素ストック変化を考慮した森林資源のエネルギー活用による実質CO2削減効果の長期予測
加用 千裕荒巻 俊也花木 啓祐
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2008 年 64 巻 4 号 p. 336-346

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抄録

 日本国内の森林資源のエネルギー利用について化石燃料の消費削減に伴うCO2削減効果だけでなく森林や住宅における炭素ストック変化を考慮した実質のCO2削減効果を2050年まで推計した.その結果,エネルギー用木材の植林と皆伐によって炭素ストック量は長期に渡って大幅に減少することが分かり,それら炭素ストック量の変化がCO2削減効果へ与える影響を考慮することの重要性が示された.従来樹種によるエネルギー用木材生産とそのバイオエタノール利用を行う場合は,実質のCO2削減効果はマイナスとなり長期的にCO2排出源となった.一方,早生樹種の場合は,2025年以降に実質のCO2削減効果が見込まれ,森林を保全しながらCO2吸収源として活用するよりも効果があることが分かった.

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© 2008 社団法人 土木学会
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