2011 年 67 巻 1 号 p. 145-159
これまでの研究で,港湾工事でケーソンの裏込めに用いた高炉水砕スラグは時間の経過とともに硬化していくことがわかっている.ただし,非常に時間がかかることが知られている.そこで,室内において高炉水砕スラグを硬化させるための条件について検討したところ,海水条件下では,高炉スラグ微粉末を添加することが高炉水砕スラグの硬化促進に有効であることがわかった.また,硬化した高炉水砕スラグのせん断強さはcとφで表せられること,残留せん断強さはφで表すことができることがわかった.また,それらの強度定数は,低拘束圧の排水もしくは非排水三軸圧縮試験から求めればよいことを示した.