2012 年 68 巻 1 号 p. 1-14
土壌・地下水汚染や埋設廃棄物が存在する土地を有効活用する際の対策方法の一つとして,汚染物質の周辺環境への拡散を防止する封じ込め工法が有効であることから,原位置土とベントナイトを混合・攪拌することによって造成されるソイルベントナイト(以下,SB)を開発し,遮水材としての適用性を遮水性能の観点から実験的に検討した.実施工を模擬して作製したSBに対して,遮水性能に及ぼす影響因子を室内試験により評価した.その結果SBの透水係数は,間隙水中の化学物質濃度やベントナイト添加量の影響を受けることが明らかとなった.またSB自身の自己修復機能により,クラックが生じた場合であっても経時的に遮水性能が再現されることが示された.さらにSBの膨潤圧や物性を評価することで,遮水性能を簡便に評価しうる可能性を検討した.