2012 年 68 巻 1 号 p. 56-67
土壌気相中の物質移動に関する物性値は,屈曲度を考慮した分子拡散係数とKnudsen拡散係数および分散長となる.日比らは,以前の研究でカラム実験結果よりこれらの物性値を求める手法を開発した.本研究では,カラム実験より得られた物性値が妥当な値であるか確認するために二次元土槽実験と数値解析を行った.二次元土槽実験では,物性値が得られている乾燥した豊浦砂または豊浦砂とベントナイトの混合土と,酸素と窒素を成分調整した混合ガスで満たされた土槽に二酸化炭素を注入した.二次元土槽実験に関する数値解析は,Dusty Gas Modelを特性曲線型有限要素法で定式化した手法と,以前の研究でカラム実験より得られた物性値を用いて行われた.その結果,カラム実験で得られたこれらのパラメーターが適切な値であることが分かった.