2013 年 69 巻 2 号 p. 174-185
異種構造物が連続する鉄道においては,各構造物の耐震性能を同一の指標で評価し均衡を図りながら線区全体の耐震性能を向上させることが重要である.また,耐震補強は破壊機構を考慮した工法を選択することが重要である.本研究では,盛土の耐震性能の評価とその向上を目的とし,既往の模型実験,および,地盤条件,盛土高さ,地震動をパラメータとした模型実験により,盛土の破壊形態を5つに分類し,変形レベルを踏まえた対策箇所判断基準を策定する考え方を示した.また,タイロッドおよび地山補強土工による盛土耐震補強工法の効果と設計法の妥当性を示し,各破壊形態に応じた合理的な補強工法を提案した.