土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
和文論文
斜面の浅い部分のせん断ひずみ計測による崩壊予兆の把握に関する大型模型実験
玉手 聡堀 智仁三國 智温伊藤 和也吉川 直孝末政 直晃
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 3 号 p. 326-336

詳細
抄録

 斜面工事では崩壊防止が原則として推奨される措置であるが,労働者の安全をより確実なものとするためには,崩壊の発生を仮定した対策の検討も必要と考えられる.本研究では人的被災を防止する観点からモニタリングによる崩壊予兆の把握と避難への適用について検討した.特に,工事中の仮設的なモニタリングを考慮して,浅い斜面部分のせん断ひずみ増加を簡易計測することに着目し,その有効性を確認するための大型模型実験を行った.その結果,せん断ひずみには崩壊の約7分前から定常的増加が見られ,約2分前には加速的増加に推移するクリープ的モードが崩壊プロセスに観察された.本研究では危険を2段階で指標化し,その判定のための設定値を実験から逆解析して例示するとともに,小型警報器を試作して工事現場における補助的利用の概念を提案した.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top