2013 年 69 巻 4 号 p. 404-416
粘土の二次圧密やクリープ,ひずみ速度依存性といった時間依存性挙動を表現するため,これまで数多くの弾・粘塑性構成モデルが提案されている.しかしながら,塑性や粘性による非可逆変形を単一の物理量として評価する粘塑性論を基本とした弾・粘塑性構成モデルでは,関連流動則の適用を正当化することができず,時間経過に伴う先行効果(擬似的な過圧密挙動)も定量的に評価することができないという問題が指摘されている.そこで本研究では,飯塚・太田が提案する“塑性論的粘塑性論”を基に,時間経過に伴う先行効果を評価することが可能な拡張型の弾・粘塑性構成モデルを提案し,各種室内試験の要素シミュレーションを実施することで,提案する構成モデルの有効性および適用性について検討を行った.