2014 年 70 巻 2 号 p. 238-247
盛土の安定性・恒久性を確保するためには,その力学挙動を把握することが不可欠であるが,とりわけ地震時の盛土の耐震性能を実験的に明らかにしようとする研究は少ない.本研究は,北海道のような粗粒火山灰質土の堆積地域における火山灰盛土を想定し,締固め時の含水比および締固め度に加えて,細粒分含有率といった示標特性の違いと,締固め土の繰返し非排水せん断特性との関係を明らかにすることを目的としている.一連の実験から,締固め条件の違いが締固め土の繰返し非排水せん断強度に顕著な影響を与える一方,繰返しせん断時に含まれる細粒分含有率の違いによってその影響の様相が異なることが示された.