2015 年 71 巻 3 号 p. 228-240
近年,比較的簡易に実施できる杭の載荷試験として衝撃載荷試験が発達し,実績を伸ばしている.特に鋼管杭の打撃施工を行う場合には,施工に使用するものと同様の機材で試験が実施できる利点があり,衝撃載荷試験を活用することで,同一の現場で多数の杭の載荷試験を実施することが可能となる.一方,構造物の設計においては,杭の軸方向抵抗力の推定にあたり,載荷試験を実施した場合の取扱いに関する記述が十分でなく,特に多数の載荷試験を行った場合のデータの設計へ反映方法が明確でない.本稿では,同一の現場で多数の杭に対して実施された衝撃載荷試験の結果を紹介するとともに,そのばらつきを評価する.またそれにより得られた知見を基に,実施した多数の衝撃載荷試験の結果を設計に反映させる場合の考え方を整理する.