土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
71 巻 , 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
和文論文
  • 古河 幸雄, 藤村 圭佑
    2015 年 71 巻 3 号 p. 136-146
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/20
    ジャーナル フリー
     気泡混合軽量土に廃ペットボトルを再利用した短繊維を添加し,一軸圧縮強さの補強効果や脆性的破壊挙動の改善を取りまとめた.短繊維を添加した場合,実験結果と比較する指標に短繊維の直径や長さ,添加率をパラメータとしたインデックス値が適切であり,フロー値の下限値160mmとなる添加率が,短繊維の直径,長さ,設計一軸圧縮強さを変数とした実験式を提案した.また,短繊維を添加しても,生比重や空気量,硬化後の湿潤密度に変化はないが,一軸圧縮強さや変形係数,残留強度は,直径や長さよりもインデックス値や砂セメント比,設計一軸圧縮強さへの依存が高いことから,一軸圧縮強さはそれらを変数とした実験式を提案し,残留強度は,インデックス値が大きいほど延性的挙動になることを示した.
  • 佐名川 太亮, 西岡 英俊, 本山 紘希, 室野 剛隆, 高野 裕輔, 陶山 雄介, 米澤 豊司, 青木 一二三
    2015 年 71 巻 3 号 p. 163-176
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/20
    ジャーナル フリー
     斜杭基礎による制震効果には,構造物の慣性力に対する静的な水平抵抗の上昇に加え,地盤変位作用時の逆ロッキング動および入力損失による制震効果が確認されている.静的な水平抵抗上昇による効果は既往の研究により評価されているが,逆ロッキング動および入力損失が構造物全体の応答にもたらす効果を定量的に評価できていないのが現状である.本研究では,直杭および角度5度の斜杭基礎を有するラーメン高架橋模型(約1/10スケール)を用いた振動実験を実施した.その結果,斜杭基礎のラーメン高架橋においては応答低減効果が全周波数にわたって得られることが確認された.また,数値解析を交えた検討により,逆ロッキング動と入力損失が構造物全体に与える制震効果について定量評価した.
  • 原 弘行, 末次 大輔, 松田 博
    2015 年 71 巻 3 号 p. 177-190
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/20
    ジャーナル フリー
     石灰・セメント処理した粘性土は,海水環境下においてカルシウム成分の溶出が促進され,力学的に劣化することが示されている.本研究では,石灰処理土を対象に,劣化の進展に伴う間隙径分布の変化ならびに劣化した処理土の圧密特性を調べることを目的として,海水浸漬により劣化した処理土と未浸漬の処理土に対して間隙径分布の測定と圧密試験を実施した.その結果,劣化した石灰処理土は間隙の総量をほぼ一定に保った状態で比較的大きな径の間隙が増加し,石灰混合履歴を持たない母材の粘性土に類似した間隙径分布へ遷移することを示した.また,劣化した処理土の圧縮性は海水浸漬前に比べて大きくなることを示し,その原因は処理土のセメンテーション効果の解消だけでなく,骨格の変化が生じやすい間隙径分布に変化したことも影響していると推定した.
  • 浜崎 智洋, 笠間 清伸, 前田 良刀, 田口 浩史
    2015 年 71 巻 3 号 p. 191-203
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/20
    ジャーナル フリー
     グラウンドアンカー(以下,「アンカー」という)は,地すべりや切土などの斜面安定化のために,プレストレスを地盤に導入し土塊の変位を抑止する工法である.昭和40年代以降,アンカーは削孔などの施工技術の進歩とともに広く普及し,代表的な斜面安定対策工法となった.その間,防食などの耐久性に関する各種基準が整備・確立されてきた.しかしながら,防食性能が低い“旧タイプアンカー”では,腐食等によりアンカーの損傷が顕在化しており,今後それらの更新対策が増加していくことが予想される.本検討では,高速道路の切土のり面に施工された旧タイプアンカーを対象に,健全度調査の信頼性の推定や,ワイブル分布を活用したアンカーの損傷予測の推計を行い,それらを活用して切土のり面の定量的な健全性(安定性)評価の提案をおこなった.
  • 川尻 峻三, 布川 修, 太田 直之
    2015 年 71 巻 3 号 p. 204-217
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
     乾燥収縮・地震・クリープ変形等によって土構造物には亀裂が発生する.一方,近年では時間雨量・累積雨量ともに増加する傾向にある.しかし,土構造物への雨水浸透や水位上昇に与える亀裂の影響については不明な点が多い.そこで本研究では人工的な亀裂を有する模型盛土に対する散水実験を行い,亀裂の本数が盛土内の水分挙動に与える影響を考察した.実験の結果,亀裂の本数が増えると盛土内水位と体積含水率の上昇が顕著となった.また,繰返し散水を作用させると盛土内水位の上昇量は低下し,散水による雨水が盛土内へ浸透し難い状況となったことを確認した.この要因の一つとして,亀裂の消失や癒着による影響を示した.
  • 篠田 昌弘
    2015 年 71 巻 3 号 p. 218-227
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
     斜面の安全率算定法は70年以上も前から提案されており,現在までに様々な手法が提案されている.現在実務で適用されている斜面の安全率算定法は,すべり線を円弧と仮定しているものがほとんどである.これは,すべり線が円弧であると,パラメータが少なく,安全率算定アルゴリズムが単純で,計算効率や計算の安定性が高いためである.一方で,非円弧すべりを仮定した斜面の安全率算定法にSpencer法があるが,Spencer法による安全率の算定アルゴリズムは複雑で,条件によっては計算が不安定になる場合がある.本研究では,Spencer法を用いた非円弧すべりを仮定した斜面の安全率算定における不安定性の要因を明らかにするとともに,その問題点を改善した安定性の高い斜面の安全率算定アルゴリズムを示す.
  • 水谷 崇亮
    2015 年 71 巻 3 号 p. 228-240
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
     近年,比較的簡易に実施できる杭の載荷試験として衝撃載荷試験が発達し,実績を伸ばしている.特に鋼管杭の打撃施工を行う場合には,施工に使用するものと同様の機材で試験が実施できる利点があり,衝撃載荷試験を活用することで,同一の現場で多数の杭の載荷試験を実施することが可能となる.一方,構造物の設計においては,杭の軸方向抵抗力の推定にあたり,載荷試験を実施した場合の取扱いに関する記述が十分でなく,特に多数の載荷試験を行った場合のデータの設計へ反映方法が明確でない.本稿では,同一の現場で多数の杭に対して実施された衝撃載荷試験の結果を紹介するとともに,そのばらつきを評価する.またそれにより得られた知見を基に,実施した多数の衝撃載荷試験の結果を設計に反映させる場合の考え方を整理する.
  • 富樫 陽太, 谷 和夫, 菊本 統
    2015 年 71 巻 3 号 p. 241-253
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
     岩盤は堆積構造や不連続面の影響で異方性を示すことがある.従来,異方性はサンプリング方向を変えた複数の供試体の試験で調査されてきたが,労力や時間,コストの面で効率的でない上,必ずしも異方性を特定できないという問題があった.そこで著者らは,一つの試験体で岩盤の異方性を把握できる新しい原位置試験法を開発した.同試験は異方性岩盤に作製した中空円筒の試験体を所定の拘束圧下でねじりせん断する試験であり,試験体の上端面における応力分布を計測することで,異方性を一つの試験体で調査できる.提案方法によると,最も簡易な異方性構成則の一つである面内等方弾性体に関し,等方圧密時の主ひずみ方向から異方性の卓越方向を特定でき,等方圧密時の応力ひずみ関係とねじりせん断時の応力分布を用いて5つの弾性パラメータを特定できる.
和文報告
  • 山田 淳夫, 千々松 正和, 藤原 斉郁, 矢田 勤, 秋山 吉弘, 小峯 秀雄, 飯塚 敦
    2015 年 71 巻 3 号 p. 147-162
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/20
    ジャーナル フリー
     低レベル放射性廃棄物のうち比較的放射能レベルの高い放射性廃棄物を対象とする余裕深度処分では,ベントナイトで構成される低透水層は人工バリアとして重要な機能を期待されている.この低透水層の設計や施工方法の検討にあたり,地下空洞内において実規模で実際に施工を行い,施工のしやすさ,実現性の確認と低透水性等の性能の確認を行うことは重要である.そこで,ベントナイトを用いた底部低透水層を対象とした,施工試験と室内試験による性能確認試験を実施した.その結果,施工のしやすさ,実現性を確認するとともに,施工後の品質として低透水層に求められる透水係数をはじめとする性能が確保可能なことを確認した.
feedback
Top