本研究では凍結融解土の透水係数を実用的なレベルで予測する実験的方法を提案するため,飽和細粒土を用いて予圧密と実験荷重を変化させた凍結融解実験を行った.実験では人工地盤凍結工法の現場での施工条件を考慮し,一次元凍結融解実験に加え,水平変位を拘束した条件下で水平方向の凍結融解実験を実施した.その結果,凍結融解土の透水係数は凍上率,予圧密荷重や過圧密比よりも実験荷重の影響を強く受けていることが明らかになった.つまり,地盤の固結状況や過圧密比よりも有効土被り圧を知ることで,凍結融解後の透水係数を実験的に予測できる.さらに,水平方向変位が拘束された凍結融解実験より,凍結融解土では含水比が凍結管付近で高くなり,そのことが凍結融解土全体の透水係数のさらなる増加に関係することが示された.