2017 年 73 巻 2 号 p. 157-168
流動化処理土に短繊維を添加すると,混合時のフロー値やブリーディング率は短繊維の直径や長さの影響を受け,添加率の増加とともに低下するが,流動化処理土の密度や硬化後の湿潤密度には影響を及ぼさない.一軸圧縮強さは,短繊維の直径や添加率,調整泥水の密度と相関関係があることから,それらを変数とした実験式を提案した.破壊ひずみや変形係数は,添加率や直径,長さ,調整泥水の密度との相関性は認められなかった.一方,15%ひずみにおける圧縮応力と一軸圧縮強さの比で示した強度比は,短繊維の添加率や直径,長さとの相関性を示したことから,それらを変数とした実験式を提案するとともに,残留強度は,添加率が大きく細い方が延性的挙動になることを示した.