抄録
2013年より全国で危険ため池に対する一斉点検が実施されてきた.地震時における堤体の強度評価の一つとして,非排水繰返し三軸試験が適用されるケースがある.通常,堤体法面には静的な初期せん断応力が作用しており,堤体の耐震性評価において低拘束圧下で初期せん断応力の影響を受けた状態での動的強度特性を考慮することが重要である.本研究では,物理特性の異なる堤体土を用いて,初期せん断応力が堤体土の非排水繰返しせん断強度に与える影響を調べた.また,拘束圧が低い条件で試験を実施し拘束圧の影響を調べた.その結果,堤体土の繰返しせん断強度は拘束圧の増加に伴い大きくなることがわかった.さらに,初期せん断応力の影響を考慮した繰返しせん断強度の評価は,細粒分含有率により可能であることを示した.