2020 年 76 巻 2 号 p. 122-141
本研究では,マクロサイズの空隙が発達した盛土斜面における原位置計測結果に基づき,不均質な空隙分布に起因する選択流が降雨浸透・排水特性に与える影響について検討を加えた.その結果,マクロポアが発達した地盤では,降雨に伴い急激な間隙圧および体積含水率の増加が生じ,マクロサイズの空隙を含む土の透水係数が数オーダ上昇することで選択流が発生すること,選択流は短時間に疑似的飽和領域を形成するため,後続する高強度降雨により降雨ピークとほとんど一致して間隙圧が上昇することを明らかにした.また,この間隙圧の伝搬が短時間に生じるため,浅層破壊の発生時間は,既往の浸透流解析で推定される結果よりはるかに速くなり,過去の崩壊事例のように時間遅れを伴わず降雨ピークとほぼ一致する可能性があることについても考察を加えた.