2020 年 76 巻 2 号 p. 110-121
本研究では,補強土壁の補強材の引抜けに起因して壁面変位が生じた際の補強材の残存抵抗を検討するため,補強材の引抜き過程において任意の先行引抜き変位を与えた後,引抜き力が引抜け変位に及ぼす影響を調べた.補強材周辺の応力状態を再現した供試土層を用いて変位制御による引抜き試験を行い,引抜き抵抗特性を把握した上で,変位・荷重制御引抜き試験により,先行引抜き変位時点での引抜き力が残留変位や累加変位に及ぼす影響を考察し,これらの結果を基に補強材の残留抵抗特性を評価した.主要な結果,変位・荷重制御試験において,先行引抜き変位が大きいほど,その後の引抜き力を一定に保持した際の残留引抜き変位は増加する傾向にあることを明らかにした.