2022 年 78 巻 1 号 p. 32-44
粗粒土の二種混合体試料の性質は,大粒子含有率に対応する骨格構造に支配される.ここでは,小粒子骨格構造の限界大粒子含有率を評価することを目的とし,微視的モデルの改良,安息角・間隙比実験の実施,微視的モデルによる骨格構造の評価を行った.その結果,微視的モデルに,大粒子の形状や配置の異方性を考慮するパラメーターを導入し,より現実に即した改良を行うことができた.安息角・間隙比実験からは,大粒子試料が大きく,いびつであるほど,また小粒子試料の間隙比が大きいほど,小粒子骨格構造の限界大粒子含有率が低くなること.微視的モデルによる骨格構造の評価からは,大粒子の粒度試験と小粒子の最小密度試験の結果から,推定式をもとに,小粒子骨格構造の限界大粒子含有率を推定できる可能性があることを明らかにした.