2022 年 78 巻 3 号 p. 165-179
筆者らは,斜面崩壊の危険度予測精度の向上を目的として,降雨継続時間と平均降雨強度の指標(I-D法)にテンシオメータによる現地計測結果を加味した修正I-D法を提案してきた.本手法において,計測点で最初に0.0cmH2O以上の水理水頭が計測された時点(𝑡sat)を把握することは重要であり,そのためにはより適切かつ実用的な𝑡satの閾値の推定指標の検証が必要である.本論文では,𝑡sat推定指標を新たに提案し,それを修正I-D法に反映させた場合の斜面崩壊の危険度予測精度を検証した.その結果,降雨開始からの時間と平均降雨強度の指標が,𝑡satを推定する上でより適切であることを確認した.さらに,提案指標を用いて𝑡satを求め,修正I-D法による斜面崩壊の危険度予測を行うことで,高い的中数で斜面崩壊発生の有無を判断できることを示した.