抄録
本論文では,UAVによる現地観測とGIS解析および水理解析により,平成27年9月の関東・東北豪雨による洪水流が鬼怒川の河道植生に及ぼした影響を検討した.UAV計測では,利根川合流地点から上流100kmの区間において破堤・溢水地点を含む13地点を選定し,洪水直後の河道状況を把握するための現地観測を行った.その観測結果と平成23年度の河川環境基図とをGIS解析で比較したところ,上流から下流にわたり観測した全ての河道で植生が1~3割程度消失していること,その割合は水系の上流側河道で大きく,河道形状の変化も大きいことがわかった.さらに,この植生変化の分析結果と水理解析によって得られた摩擦速度・曲げモーメントの関係を検討したところ,草本類の消失率と摩擦速度,木本類の消失率と曲げモーメントの間にそれぞれ正の相関性があることが確認された.