抄録
島根県の一級河川である高津川を対象として,河川の生態系の主要な分類群である底生動物の環境変化に応じた生物量の空間分布予測モデルの構築をおこなった.高津川で2015年12月におこなった現地観測によって得られたデータを用いて,底生動物量を予測する一般化線形モデル(GLM)を構築した結果,主要9分類群全てでモデル構築が可能であった.さらに,構築したモデルと流れ場の計算結果と組み合わせることにより,高津川の国管轄区間における全生物量を予測することができた.2014年の同時期における佐波川の結果と比較すると,底生動物の量は平均的には少ないものの,区間による偏りが少ない傾向がみられた.