抄録
2017年の九州北部豪雨は,観測史上最大を記録するもので,過去に経験をしたことのない大洪水が筑後川中流右岸側の中小河川で発生した.本研究では赤谷川を対象に出水直後の被害状況の整理を行い土砂移動を伴う氾濫解析を行った.解析結果は実測痕跡水位,水深,実測浸水範囲と概ね合致した.今回の出水により氾濫原内に新たな流路が形成され,それに伴い河岸浸食等の流路変動も解析で確認された.これらのことは2016年北海道豪雨災害の多くの急流河川でも同様に大量の土砂が流出し河道内に堆積したことは類似するが,北海道豪災害の場合は著しい流路の首振り蛇行であること,今回の九州災害では比較的直線的な流れで流路の首振り蛇行は少なかった点の違いが明らかとなった.