抄録
本研究は,水位の経時変化を上・下流端境界条件とした平面2次元解析法を提案し,堰を超える非定常流れの実験および平成24年九州北部豪雨時の彦山川での出水に適用することで,その再現性について検討したものである.まず,流束差分離法に基づき,洪水波の伝播を考慮した上で水位から単位幅流量を求める上・下流端境界条件式を新たに提案した.次に,実験結果や実出水の観測値に基づき,解析法の検証を行った.その結果,(1) 水位を境界条件とした解析は,堰を超える流れの水位や流量の実験結果を予測可能であること,(2) 同解析は,実河川の流量・水位ハイドログラフ,痕跡水位を再現できること,(3) その流量の予測精度は,下流の影響を受ける場合に河道内構造物や底面粗度によるエネルギー損失に影響を受けること,などがわかった.