土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第62巻
定点観測と移動観測による複数の平均放射温度測定手法の精度検証
中島 健仲吉 信人
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2018 年 74 巻 4 号 p. I_241-I_246

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抄録

 既存の平均放射温度測定手法全てにおいてオープンスペースでの定点観測と街区内での移動観測を行うことで,包括的な精度検証を行った.6方向放射測定法(MRT_true)を真値と考え,直達・上下放射測定法(MRT_dir),測定の容易な1球のグローブ温度計を用いた手法(MRT_gray)とグローブ風速放射センサ(MRT_GAR)による手法を比較した.1分平均値でみた定点観測の結果では,MRT_dir,MRT_gray,MRT_GARでMRT_trueと比較したときの最大誤差は4.1 ℃,13.1 ℃,9.9 ℃であり,平均二乗誤差はそれぞれ1.32 ℃,5.43 ℃,1.94 ℃であった.移動観測ではMRT_gray,MRT_GARでMRT_trueと比較したときの最大誤差は13.2 ℃,11.5 ℃ほど生じることもあるが,地点ごとの平均値でみるとそれぞれ6 ℃,3 ℃未満に抑えられていた.定点観測で十分な測定精度を示し,移動観測への適正が高いMRT_GARの高いポテンシャルが示された.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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