抄録
一定の曲率半径を持つ湾曲水路を用いて,内側破堤,外側破堤による流出特性について実験的に検討を行った.実験は,流入流量,横越流堰高および曲率半径を種々変えて実験を行い越流水深と横越流量を計測した.その結果,次のことが明らかとなった.(1) 横越流堰区間内の水面形は外側破堤では単調に水深が増加する.一方,内側破堤は一旦水深が減少したのち水深が増加する.(2) 流出比は内側破堤に比べ外側破堤の方が大きい.(3) 流出比は堰高が大きい場合には流入流量に比例して大きくなるが,堰高が小さい場合には逆に小さくなる.(4) 筆者らが提案している湾曲水路の曲率半径を考慮した簡便な横越流算定式を内側破堤にも適用できるように修正した.その結果,比較的良好な精度で計算できることが確認できた.