抄録
本研究では，STIVによる流量の長期・自動連続観測の実現に向けて，DIEX法との統合システムを構築し，遠賀川における現地実証試験を行うとともに，環境依存性評価のための室内実験を実施した．現地実証試験では，2017年1月の設置から9ヶ月間にわたる自動連続観測に成功し，かつ，洪水時の本システムの水位観測値は国交省水位計観測値に良好に一致した．一方，流量は安定的に観測され，ADCP観測値と概ね一致し，本システムの基本的な有効性が示された．本システムの流量算出精度に風向風速が及ぼす影響を定量的に評価するために，風洞付き水路を用いた室内実験を実施したところ，STIVによる流速解析値に対する風影響は，低風速条件（＜約3m/s）ではほぼないことが示された．
