2018 年 74 巻 4 号 p. I_997-I_1002
流出特性の異なる全国6流域を対象として,小水力発電の発電単価を算定した.発電単価とは小水力発電の建設に関わる工事費を年間の発電電力量で除した値である.発電電力量は,長期の流出解析結果から流況を作成し,有効落差等を乗じることで算定した.本研究では,導水路および水圧鉄管を低コストに抑えた方式と従来の方式における発電単価を算定し,流出特性が及ぼす影響について考察した.降雪の多い流域では,年間を通じて安定した発電を実施できるため,発電単価が安い傾向が確認された.