2018 年 74 巻 5 号 p. I_1183-I_1188
本研究では,データ同化を含めた気象シミュレーションモデルWRFを使用し,2013年8月12日に高知県四万十市江川崎で観測された日本最高気温である41.0℃の猛暑を対象に再現計算と感度分析を行い,猛暑の形成要因を調査した.江川崎は集落の規模が小さいため,都市の人間活動による熱影響は気温上昇にほとんど影響せず,土壌水分の違いによる広域の熱影響の変化が気温に影響することが確認された.また,気温が上昇する際は北西風が卓越し,海風となる南寄りの風が流入すると気温が下降する.さらに上空の温位が低下することでも地表気温は低下することから,これも気温上昇に影響を与えるものと示唆された.