土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第63巻
衛星搭載マイクロ波放射計を用いた陸域雲水量の推定手法の提案
瀬戸 里枝小池 俊雄鼎 信次郎
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 5 号 p. I_1219-I_1224

詳細
抄録

 本研究では複数波長の衛星マイクロ波観測輝度温度から,陸域に広がる雲システムの雲水量を数km解像度で推定し,同時にモデルに同化する新たな手法を提案した.本手法の推定雲水量をCloudSat衛星のプロダクトで評価した結果,海陸問わず連続的に適切な雲水量が推定できることが示された.更に輝度温度や雲頂高度を変化させた感度解析から本手法の不確実性を検証した.雲水量の推定は雲頂高度に対する感度が高く,他の衛星観測等からの雲頂情報を最適化の拘束条件とすることが,雲水量の鉛直分布の大幅な改善に有効であることがわかった.以上より、困難とされてきた衛星マイクロ波観測からの雲水量推定・同化を陸域でも可能とし,時空間 4次元に連続的な雲水量のプロダクトを提供できる可能性が示された.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top