2018 年 74 巻 5 号 p. I_703-I_708
本稿では,複雑境界形状の領域の大規模固液混相流解析に適した並列計算方法(DBA法)を構築した.この手法は,一つのプロセスに複数立方体計算領域ブロックを分担させかつ,プロセス間の計算負荷をバランスさせるように,動的にブロックのプロセスへの割り当てを変更するものである.構築した並列計算法の性能を確認するため,プロセスに単一ブロックのみを割り当てる並列計算法(SB法)とDBA法を用いて粒子の沈降・落下の解析を行った.SB法では負荷の小さい領域に計算資源を固定化し,プロセス間の大きな負荷のアンバランスを生じるのに対し,DBA法はブロックのプロセスへの割り当てを動的に変更し負荷をバランスさせるため,SB法と比較しより高速に計算が行えることを確認した.