模型管路実験により，漏水中の管路において水撃作用により発生した圧力波形の減衰は漏水位置が下流側に近いほど大きくなることが示唆された．次に，摩擦ありで漏水がない場合，摩擦なしで漏水がある場合，摩擦ありで漏水がある場合についてそれぞれ，管路内のエネルギー損失を理論的に導出することにより，管内の圧力波形の減衰メカニズムを明らかにした．最後に数値シミュレーションを用いて全長900mの菅水路における圧力波の減衰メカニズムの検証を行ったところ，摩擦による圧力波形の減衰は初期圧力変化量に対して1％以下の誤差で再現でき，漏水による圧力波形の減衰は，水撃作用発生時から20秒間において約1％の誤差で再現できた．
