2018 年 74 巻 5 号 p. I_913-I_918
本研究では,水流によって移動することのない大礫が河床表面に露出する場を対象として,その間隙に位置する砂礫の空間的な構造を理解することを目指した.河床材料は移動しない大礫,掃流砂として移動する砂礫,浮遊砂として移動する細砂の三つの粒径集団から構成される.掃流砂礫群の粒度幅の違いが河床表層の構造に与える影響に着目した実験を行った.この構造に関する計測は静的平衡状態に到った後の河床を対象としており,河床表層に位置する掃流砂礫群の三次元的な座標を可能な限り精度よく評価することに努めた.その結果,縦横断方向の粒子の分布に顕著な違いはないこと,ならびに最大粒径をもつ粒子同士の距離の生起確率は距離の大きなものほど低くなることが明らかにされた.