2019 年 75 巻 1 号 p. 244-259
2018年7月豪雨によって広島県全域で土石流とがけ崩れが多数発生し,土砂災害による犠牲者は災害全体の直接的な死者の約80%を占め,土砂災害の重大性が改めて認識された.この災害以外にも広島県では豪雨による土砂災害が繰り返し発生している.本論文では,今回の災害と近年広島県内で甚大な被害を出した1999年6.29災害および2014年8.20災害について,被害の発生状況,被害をもたらした降雨特性と土砂災害発生の危険性,被害地の地質および地盤工学的特性を比較し,今回の災害の特徴を明らかにする.