2019 年 75 巻 1 号 p. 270-278
2018年6月28日から7月8日にかけて西日本を中心に線状降水帯を含む豪雨が発生し,広島県内で洪水や土砂災害が発生した.国土交通省はXバンドMPレーダ雨量計とCバンドMPレーダ雨量計を組み合わせたシステムである「XRAIN」を配信している.本研究では気象庁メソ数値予報モデルMSMを用いて気象場を確認したのち,広島県内における気象レーダの観測結果を報告する.XRAINは地上雨量計に対して精度良く観測できていた.3次元の降雨強度図で複数の線状降水帯を確認し,積乱雲の進行方向と逆側で新しい積乱雲が発生していた.また,雲頂高度は8000m未満であり,2014年8月広島豪雨より低かった.18時頃の広島地点付近で観測された線状降水帯は大気の不安定度と多量の水蒸気の供給が重なることで,他の線状降水帯と比較して高い降雨強度を観測した.