2019 年 75 巻 1 号 p. 31-48
鉄道の降雨災害のひとつに,渓流からの土砂流入災害がある.過去には,わずかな流入土砂等に列車が乗り上げて脱線する事故も発生している.線路沿線には膨大な数の渓流が存在し,それらの流域は鉄道管理用地外におよぶこと,また渓流には地形,渓床や渓岸斜面の荒廃状態等の様々な要因が混在することから,危険度評価には多くの時間を要するうえに,調査者の危険度判断能力によるバラツキが生じる可能性がある.そのため,鉄道では,渓流の危険度評価を効率的,効果的に行うことができる手法の作成が課題となっている.そこで本論文では,線路近傍の渓流を発生源とする小規模な土砂流入の危険度を簡易な調査等により評価できる手法について論じる.具体的には,災害渓流等のデータに基づく統計解析を行い,渓流の危険度を評価する採点表等を作成した.