2019 年 75 巻 2 号 p. I_1285-I_1290
近年,堤防の整備によって洪水被害が軽減されてきている一方で,雨水排除を担う小河川の氾濫による内水被害が多く発生している.福知山市は外水氾濫常襲地であるが,2014年と2018年には集中豪雨により小河川が氾濫する内水被害が発生し市街地を中心に広範囲で浸水した.本研究では,福知山市を対象として2次元平面解析法を用いた極端降雨下における内水氾濫特性の検討と避難困難度指標による安全避難に関する検討を行った.その結果,内水氾濫特性として小河川の流域それぞれから氾濫水が広がり,排水機場による影響は流域ごとで異なることが示された.また,避難困難度指標による評価では対象地域のほぼ全域で避難困難になることが明らかになった.避難所の浸水深と前面道路の単位幅比力から安全性の検討を行い,内水氾濫時に安全な避難所を示した.