2019 年 75 巻 2 号 p. I_229-I_234
近年,都市型水害が頻発しており,都市流出予測の精度向上が喫緊の課題である.都市の流出機構は複雑であり,簡易に精度が良い流出モデルを構築することは困難である.機械学習モデルは入力データと出力データがあれば,モデルのパラメータを自動的に調整してくれることから,簡易にモデルの構築が可能である.そこで本論文では,機械学習モデルによって都市流出モデルをどの程度エミュレーションできるか評価することを目的とし,仮想降雨およびそれを入力として得られる仮想流出量(著者らがすでに公開し真値が既知である)を対象に,従来のニューラルネットワークモデルおよび深層学習モデルを構築し,学習洪水および検証洪水における再現性を比較検証した.また,ハイパーパラメータを変更した場合のエミュレーション性能についても評価した.