2019 年 75 巻 2 号 p. I_403-I_408
本研究は,環境DNA分析を用いたイシガイの生息量評価に関する知見を得ることを目的に,イシガイのプライマー・プローブを設計し,イシガイの生息や生息量の評価に関して室内実験及び野外調査を行い検討した.その結果,室内実験によりイシガイの個体数と環境DNA濃度との間に正の相関関係が認められ,野外における定量評価への可能性が示された.これを踏まえ,野外調査への適用を検討するため農業用水路や小河川においてイシガイ個体数と環境DNAの検出数,環境DNA濃度及びフラックスとの関係性を評価した結果,特に生息数が多い保全上重要な地点の抽出に貢献できる可能性が示唆された.