2019 年 75 巻 2 号 p. I_625-I_630
近年,我が国では観測機器の高度化に伴い高精度流量推定手法の開発が活発に行われているが,全国の河川においてそれらを適用させることは非常に困難であり,今後も浮子法による流量観測が続けられると考えられる.浮子法には,①更正係数の妥当性が低い,②浮子の軌跡と測線配置に差異が生じる,③流速の横断方向に対する空間解像度が低いといった問題点が挙げられており,流量推定精度の向上が望まれる.本研究では,既往の研究でそれぞれ②,③に対する改善手法として提案された数値浮子モデルとDIEX法を組み合わせた洪水流量推定法の検討を行った.その結果,本手法は小規模洪水時,大規模出水時両ケースにおいて推定誤差1%程度の十分な流量推定精度を示した.また,従来の浮子観測による結果を利用して推定精度が向上した流量の算出が可能なため,実務において非常に有用であると考えられる.