2019 年 75 巻 2 号 p. I_667-I_672
本論文では,異なる時期に撮影されたUAV河川空撮画像の土地被覆分類を行う機械学習の手法について検討を行った.本論文で対象としたUAV画像は,黒部川下流部の扇状地において2017年11月と2018年11月に撮影された礫河川2km区間の画像である.本研究の手法では前報の手法の改良のため,機械学習と植物のクラスタリングを段階的に併用する.その初期段階では2時期に撮影された画像のうち,一方で作成された機械学習結果をもう一方の画像の土地被覆分類に用いる.続く段階で,植物のクラスタリングと解析に用いるデータのヒストグラムを利用した機械学習による植物分類を行い,河川の最終的な土地被覆分類を得る.機械学習アルゴリズムとしてはランダムフォレストを,クラスタリングにはK平均法を用いた.検討の結果,分類精度は最終的にF値で0.90程度となった.これより,本論文で提案する機械学習とクラスタリングを併用する手法は,河川の土地被覆を比較的精度よく分類できることが確認された.