2019 年 75 巻 2 号 p. I_673-I_678
シアノバクテリアは生きるために必要な全ての化合物を生合成する.このため,アオコ化するシアノバクテリアの代謝を解析することで,アオコ化の仕組みを追うことが可能となり得る.本研究では,Microcystisが優占種となったアオコ形成期のダム貯水池浅瀬を対象に,朝,昼,夜の水面と水深30cm地点のアオコ様態をメタボローム解析し,その代謝情報を用いてアオコ化の仕組みを検討した.その結果,Microcystisが優占種化するシアノバクテリア群においては,水深の違い(水面と水中30cm)により代謝物質の組成が異なっていた.それは,バイオフィルムの基となる糖ヌクレオチドにも反映されており,水中でアオコ化が生じない理由として,細胞外多糖の量が少ないことが見込まれた.