2019 年 75 巻 2 号 p. I_79-I_84
本研究では,将来起こり得る極端豪雨に対する嘉瀬川流域の治水適応策について検討した.対象とする豪雨イベントには,d4PDF(: database for Policy Decision making for Future climate change)から抽出された嘉瀬川流域の48時間降水量900mmを用いた.この降雨による下流側の基準点のピーク流量は3736m3/sであり,現在の基本高水のピーク流量3400m3/sと比較して,10%大きな超過洪水を対象としている.ここでは特に,既存のインフラ施設を有効利用した適応策を考えるべく,嘉瀬川流域に既設の嘉瀬川ダムと北山ダムを用いた適応策について検討した.その結果,事前放流を行うこと等により既存インフラを存分に活用できれば,将来の極端現象下においても嘉瀬川流域で洪水制御が可能となることが分かった.